変形性股関節症について解説
こんばんは。
今回は、当院に来院されている方で
スネの痛み、股関節の痛み、開閉障害、腰痛に悩まされているということで何が起こっているか、解説していこうと思います。
来院時
主訴:スネの痛み、股関節の痛み、腰痛
とにかくスネの痛みがいつでもあるようでそこを緩和したい。
既往歴:腰椎分離症、変形性腰椎症
状態:スネの痛み常時、股関節可動域制限あり(約30°で限界)、慢性腰痛
スネの痛みを緩和したいと言うことなのでそこを軸に考えていきます。
スネの痛みが起こり得る原因。
・筋疲労(筋肉の疲れ)
・神経痛(痺れなど)
・打撲(ぶつける)
今回の主訴から考えると
筋疲労が当てはまりやすい。
股関節の痛み(開閉障害)が起こっているため
歩行時にすり足になってしまっている可能性が高い。
スネの前の筋肉は前脛骨筋と言って
足首を上げる(背屈)、内反することにより働いている。
通常の歩行では股関節、膝関節を曲げて足を上げるため基本足首はだら〜んと下を向く。
反対に地面と接地してる際は足首が90°になっているため前脛骨筋が少し働いている。
すり足になることにより股関節、膝関節はほとんど曲げずそのまま足を擦るように歩くため足首は曲がらず前脛骨筋の作用がずっと働いたままになるため疲労がどんどんそこに溜まっていく。
上記で述べたように今回の痛みが常時起こっているのは
「股関節の開閉障害により、歩行動作が乱れ前脛骨筋に常に疲労が溜まるため痛みが起こっている」
と考える。
慢性腰痛は、問診で
反り腰→前傾姿勢といった具合に腰に負荷がかかりやすい体勢になっている。仕事もデスクにむかうそうで普段から腰には負荷がかかっている。
それに加えて歩行動作が乱れているため余計に腰に負担がかかり慢性化している模様。
そして今回1番注目しないといけない
この方の症状の原因になっていると考えられる
「股関節の痛み、開閉障害」
聴けば年々開かなくなっているみたいで
恐らく"変形性股関節症"になっていると考えられる。
その名の通り
股関節の関節部分の軟骨が変形してしまい
本来動かすことのできる範囲を動かそうとすると
ロックがかかり動かすことができなくなってしまう。
股関節とは
大腿骨+寛骨から形成されている。
球関節といってあらゆる方向に動かすことができる。
前後、左右、上下と運動ができ
股関節と肩関節が同様の球関節からなる!!
また、股関節は寛骨の部分が深くなっているため一部の動きに制限がかかる。(臼状関節)
この球関節が滑らかに運動できる仕組みとして
骨と骨を結びつけている関節包の中に軟骨、滑膜が存在し、
その内側に滑液が分泌されることにより滑りをよくし滑らかな動きを可能にしている。
軟骨がすり減ることで炎症を起こし滑りが悪くなりそのまま変形し症状を発症する!
今回の股関節の痛み、開閉障害は
股関節の軟骨が変形してしまうことにより
炎症が起こり痛みを発症し
関節にロックがかかることにより開閉障害が起きていると考える。
以上のことから
股関節が原因にあり、
スネの前の痛み、慢性腰痛と随伴症状が現れている。
痛みを緩和するのには原因を突き止めてそこを改善する。
今回のケースは、私の主観であり本当に変形しているのかは確認取れていませんが
開閉動作や簡単なテスト、ストレッチから推測するとほぼ間違い無いと思います。
今後の治療方針としては
股関節の炎症を取り
周りの筋肉にストレッチ性を加え
可動域を広げていく。
同時に必要な筋肉(内転筋、臀筋)を日常で鍛えてもらう。
歩行動作の改善に着手し前脛骨筋の改善
慢性腰痛は上記がよくなれば自ずと良くなる。
現在の施術では、
もみほぐし+ストレッチで対応しているが
次回状況確認して鍼を入れていければと思う。